ECサイト市場は、ここ10年で市場規模が2倍以上に拡大しました。ECサイト市場は、まさに戦国時代を迎えています。
ただ単に商品を販売するだけでは、ECサイトとして生き残るのが難しい時代です。そこで、ECサイト内のコンテンツを充実させ、集客と売上を共に伸ばすECサイトのメディア化が注目されています。
本記事では、ECサイトのメディア化についての説明から、実際にECサイトのメディア化で成功した事例を10サイトご紹介します。
ECサイトを運営している方や、これからECサイトを作成しようと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
- ECサイトのメディア化とは?
- ECサイトのメディア化に成功した事例
ECサイトのメディア化とは?
ECサイトのメディア化とは、ECサイトで単に商品を販売するだけでなく、ECサイト内のコンテンツを充実させることにより、商品やサービス自体に興味を持ってもらうことです。
ECサイト内には、文章や写真、イラスト、動画といった幅広いコンテンツを掲載できます。
言葉だけでは少しイメージが付きにくいと思うため、ECサイトのメディア化の具体例として、本記事の「成功事例10選」を見ていただければ、イメージが湧いてくると思います。
どんな効果が期待できる?
ECサイトのメディア化によって以下のような効果が期待できます。
- ECサイトがSEOに強くなり、サイトのアクセス数が増加する
- 他のサイトと差別化できる
- お客様の商品に対する購買意欲が高くなる
上記の中でも、ECサイトのメディア化は他サイトと差別化できる点が非常に良いポイントです。
スマホ1台で何でも購入できる現代には、数えきれないほどのECサイトが存在します。しかし、全てのECサイトが利益を上げられているわけではなく、順調に売上を伸ばしていくECサイトはごくわずかです。
売上を伸ばせないECサイトの共通点は、他のECサイトと差別化できていないことです。もっと言えば、他のECサイトと比較してどんなメリットがあるのかお客様に提示できていないことです。お客様にメリットを提示できなければ、他のECサイトにお客様を取られてしまいます。
そこで、差別化の方法として有効的なのがECサイトのメディア化です。ECサイト内のコンテンツを充実させることで、商品やサービスの魅力を深く理解していただけます。また、ECサイト自体にファンが付き、リピーターが増加しやすいのもECのメディア化の特徴です。
このように、ECサイトのメディア化にはたくさんのメリットがあります。次の項目では、そんなECサイトのメディア化に成功した事例を10サイトご紹介します。
成功事例10選
BUYMA
https://www.buyma.com/mens/
BUYMAは海外ブランドアイテムを中心に取り扱うファッションECサイトです。アパレル商品は、夏だったらTシャツやハーフパンツ、冬だったらダウンやにニットのように時期によって売れるアイテムが異なります。BUYMAでは、季節に合わせた特集記事を組むことで、今期のトレンドや人気のアイテム情報をすぐにキャッチできます。また、アパレルスタッフの購入品紹介など、ファッション感度の高い人がどのようなアイテムを購入しているのか知れる点も参考になります。アパレルのようにトレンドや季節感がある商品を販売しているECサイトでは、BUYMAに習ってに季節ごとに特集記事をECサイトのメインページに記載するのが良いでしょう。
Mr.CHEESECAKE
https://mr-cheesecake.com/
Mr.CHEESECAKEは、「世界一じゃなくて、あなたの人生最高に。」をテーマに掲げる東京発のチーズケーキを販売しているECサイトです。Mr.CHEESECAKEのECサイトには、チーズケーキやスイーツにまつわる読み物が掲載されており、「5月8日は母の日。お母さんに作ってあげたいチーズケーキレシピ」や「書籍『Mr.CHEESECAKE人生最高のスイーツ』の世界観を再現。作り時間も食べる時間も特別なものにしてくれる器や道具」といったチーズケーキを食べるモチベーションを上げてくれます。商品に関する情報を記事にしてECサイトに掲載することで、お客様に商品の魅力を知っていただき、お客様の購買意欲の増加につながります。
石けん百科
https://www.live-science.co.jp/store/php/shop/
石けん百貨は、国内外の優れた石けんを取り扱うECサイトです。石けん百貨には姉妹サイトが複数ありいずれのサイトも、肌トラブルや掃除、洗濯、メイクなど石けんに関する情報が詳しく掲載されています。姉妹サイトを複数紐図けて運営することで、それぞれのサイトのアクセス数が相乗的に増えます。石けん百貨のサイトを訪れることで、お客様が抱えている問題を解決できるという情報の網羅性もお客様に喜ばれるポイントです。
SNKRDUNK
https://snkrdunk.com/
sneaker dunk(通称:スニダン)は、スニーカー、ブランドバック、アパレルなどを扱うECサイトです。スニダンでは、商品を売るだけでなく、販売もできるためフリマアプリの要素もあります。スニーカーは熱狂的なファンが多く、定価1万円台の商品が、100万円で取引される事例も多くあります。そのため、スニーカーファンはいち早く最新のスニーカー情報を欲しています。スニダンでは、スニーカーの情報をいち早くキャッチし、発売時期やカラー展開などの情報を発信しています。新作商品が目まぐるしく発売される商品を分かりやすくまとめることで、そのECサイトを利用して商品を購入しようという気持ちにお客様がなってくれます。
ほぼ日手帳
https://www.1101.com/store/techo/ja/magazine/
ほぼ日手帳は、毎日の予定を書くだけでなく、日記帳のように毎日の記録を残すために作られた手帳です。手帳の中にイラストを描いたり、シールを貼ったりとほぼ日の手帳を使い人自身が好きなように使用できるのがほぼ日手帳の魅力です。ほぼ日手帳には、様々なサイズがあり、アニメやアーティストとのコラボ商品も充実しています。また、他の人がどのようにほぼ日手帳を使用しているのか、紹介している記事もECサイトにあり、サイトを訪れたお客様が「自分だったらこんな風にほぼ日手帳を使おうかな」とイメージが湧き上がってくる楽しいサイトです。お客様が商品を購入した後に、商品を使ってどんなことができるのかワクワク感をECサイトの記事で伝えられている点が素晴らしいです。
職人醤油
https://www.s-shoyu.com/
職人醤油では、日本各地の醤油を100mlサイズで販売している醤油専門のECサイトです。このサイトの特徴は、醤油の生産者の情報を記事にしている点です。ただ、生産者情報を載せるだけでなく、生産者の醤油に対するこだわりや想いを文章と写真で表現しています。写真には生産者の顔や実際の醤油の製造現場が写っているため、職人醤油のECサイトを訪れた人に、「この人が作った醤油を食べてみたい!」と思わせます。今の時代だからこそ、生産者の顔がしっかりと分かる商品を販売することには大きな意味があり、一度ECサイトを利用したお客様は、生産者を応援したいとリピーターになってくれる可能性が非常に高いです。
URBAN RESEARCE ONLINE STORE
https://www.urban-research.jp/?requestToken=375edc2e6dd21ba26448d25d071c832605259e0150dbfa0a356ac5c2d2d6f89a
アーバンリサーチは、20代から40代の男女に指示を集める人気アパレルブランドです。アーバンリサーチのECサイトでは、スタッフのスタイリングやメンズシャツ特集、サーバーボトムス紹介などコーディネートの参考になる記事や画像が多く掲載されています。「この服かわいいけど、どんな風にコーディネートすればいいんだろう?」そう言ったお悩みを抱えているお客様にとって、大変参考になるECサイトです。アパレル商品のように、アイテムの組み合わせが重要になる商品はECサイト内で組み合わせの具体例をたくさん紹介するとお客様に喜ばれるでしょう。
カメラのキタムラ
https://www.kitamura.jp/#/typeSE
カメラのキタムラでは、写真の現像やデジタルカメラ、一眼レフカメラなどを販売しています。カメラのキタムラのECサイトには、新作カメラの紹介動画や売れ筋のカメラレンズの紹介など1200本を超える動画が掲載されています。動画はYouTubeに掲載されているため、YouTubeからECサイトへとお客様が流れてきます。このように、YouTubeはECサイトと非常に相性が良く、記事では伝えきれない情報を音声と映像と共に伝えられます。
北欧、暮らしの道具店
https://hokuohkurashi.com/
北欧、暮らしの道具店は、北欧のライフスタイルをテーマにインテリアや雑貨などを販売するECサイトメディアです。北欧、暮らしの道具店のECサイトは、商品の販売だけでなく、「雑誌や書籍のように読み物としても素晴らしいものを届けよう」と記事の質が他のECサイトと比較しても高いのが特徴的です。また、北欧、暮らし道具店のECサイトに訪れるユーザーの98%が女性であるといったことから、サイトに訪れた人たちの心に響きやすいライフスタイル記事をECサイト内に掲載しています。その結果が、週1リピート読者が驚異の96%といった結果を生み出しました。ECサイト内に質の高い記事を掲載しようとすると、記事制作に時間はかかりますが、それだけで、他のサイトと差別化が測れ、「北欧、暮らしの道具店」のようにリピーターを多く獲得できるチャンスが有ります。
資生堂
https://www.shiseido.co.jp/
資生堂は、化粧品の国内シェア第1位の化粧品メーカーです。その人気は、国内にとどまらず世界各国にまでに及びます。資生堂のECサイトでは、女性だけでなく、男性向けのメイク記事やスキンケア記事が非常に豊富です。近年男性の方でもメイクする方や美容に気を使う人が増えてきました。ジェンダーの観点から見ても今後ますます化粧品は女性だけのものではなく、男性も必要とするものになっていくでしょう。このように、ECサイトのコンテンツを利用して、新たな顧客層を獲得することで売上を伸ばすことも可能です。
まとめ
本記事では、ECのメディア化について事例と共に紹介してきました。
冒頭でもお話しした通り、ECサイト市場は、戦国時代を迎えています。他のECサイトと少しでも差別化を図るために、本記事を参考にECのメディア化を進めてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。