ECサイトのビジネスモデルをご紹介!最新のビジネスモデルもあわせて解説します

インターネットやスマホの普及とともに近年ECの市場規模は大幅に拡大しています。それに伴いEC化率も右肩上がりに推移しており、多くの企業がEC事業に参入しています。

そんなEC市場ですが、一言にECと言っても様々なビジネスモデルがあるのをご存じでしょうか。

本記事では、ECのビジネスモデルをご紹介するとともに、最新のビジネスモデルについてもご紹介します。

現在ECサイトを運営してる方やこれからECサイトを運営しようと考えてる方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事で分かること

  1. ECのビジネスモデル5選
  2. 最新のビジネスモデル

ECとは?

ECとは、「Electronic Commerce」の略で、日本語では「電子商取引」と呼ばれています普段ECと聞くと、ネットショップやオンラインサイトを思い浮かべる人が多いと思いますが、ECはインターネットで行われるモノやサービスの取引全てを指します。

ECには、BtoB(Business to Business)と呼ばれる企業と企業による取引と、BtoC(Business to Customer)と呼ばれる企業と顧客による取引、CtoC(Customer to Customer)と呼ばれる顧客と顧客による取引の3種類があります。

ECの市場規模は?

BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円) 参照:経済産業省

上記のグラフは、2013年から2020年にかけてECの市場規模の推移を表したグラフです。グラフを見ると、2013年から2019年までは、ECの市場規模が右肩上がりに増加しているのが分かります。2020年は新型コロナウイルスの拡大防止のため、外出自粛が呼びかけられた影響により、食品や生活雑貨、衣類など物販系分野BtoC-ECの市場規模が前年の2019年と比較して、大幅に拡大しました。しかし、旅行サービスや飲食サービスなどを含むサービス分野BtoC-ECの市場規模が新型コロナウイルスの影響を大きく受け、大幅に減少したことから、2020年の全体の市場規模は前年を下回る結果となりました。

しかし、今後もECの市場規模は拡大されると予想されています。その根拠となるのがEC化率の増加です。

物販系のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移 参照:経済産業省

上記のグラフは、先ほど紹介した2013年から2020年にかけての物販系分野BtoC-EC市場規模とEC化率を表しています。今回注目すべきデータはEC化率です。EC化率は、ECの市場規模と同様に右肩上がりで上昇しており、特に2019年から2020年にかけては大幅に上昇しています。この結果から、EC市場への新規参入者は今後も増加し続けると予想されており、それと同時にECの市場規模も今後も右肩上がりに拡大していくと予想されています。

ECのビジネスモデル5種

ECサイト

ECサイトを運営するメリットは、全国に商品やサービスを販売できる点です。また、実店舗を持つ必要がないため、家賃や従業員を雇うコストなどの固定費がかからない、もしくは安く済むため、個人でも始めやすい点も魅力的です。

一方、デメリットとしては、集客が大変な点です。自身でECサイトを運営した場合、自身で集客をする必要があります。集客をする際は、InstagramやTwitter、YouTubeなどのSNSを使用して集客がコストがかからない為、おすすめです。また、他のECサイトと差別化を図ることも集客をするうえで重要でしょう。

ECサイトのみで生活雑貨を販売している「北欧、暮らしの道具店」は、雑誌のように眺めているだけで楽しめるECサイトで、他のECサイトと上手く差別化を図っています。その結果、ECサイトに多くのリピーターが付き、2021年7月期の売上高は過去最高の45億3200万円を記録しました。

実店舗+ECサイト

2つ目のビジネスモデルは、実店舗とECサイトを組み合わせて運営する方法です。実店舗を運営するメリットは、お客様とコミュニケーションを取りながら販売できるため、お客様の商品やお店に対する反応を把握しやすい点です。お客様の反応を伺いながら、新商品の開発やイベントの開催など経営に繋げていくことが可能です。また、実際に店舗で商品を販売しているため、価格競争に巻き込まれにくいのも実店舗を運営するメリットと言えるでしょう。

しかし、実店舗は、遠方のお客様に商品を購入してもらえないといったデメリットが存在します。しかし、ECサイトと実店舗を両方運営することで、実店舗から遠くに住んでいる遠方のお客様にも、商品を購入していただけます。

老舗和菓子店など実店舗での販売で名の通っているお店は、ECサイトとの組み合わせが非常に良いです。ECサイトによって、遠方に住んでいるお客様でも商品を購入でき、それにより名前が益々全国に広まるため、実店舗の売上も増加します。

創業305年になる京都の老舗和菓子屋「笹屋伊織」は、ECサイト販売とInstagramを活用した販売を開始しました。その結果、全国に多くのリピーターを確保することに成功しました。

ECモール

ECモールとは、複数のショップが、一つのサイトに含まれているECのことを表します。楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングなどがECモールに分類されます。

ECモールで出店するメリットは、ECモール自体が認知されており、利用者も多いため、自ら集客する必要がない点です。そのため、出店者は商品の販売に集中することが可能です。一方、価格競争に巻き込まれやすい点や出店料・手数料がかかる点がデメリットと言えるでしょう。そのため、ECモールだけで販売するのではなく、自身のECと連携させて販売するのが良いでしょう。

OtoO

OtoOとは、「Online to Offline」の略で、Online(インターネット)での行動が、Offline(実行動)に影響を及ぼすことを表します。分かりやすい事例を挙げると、ECサイトで実店舗で利用できるクーポンを発行したことで、実店舗の集客・売上が増加したなどです。

ECサイトと実店舗を両方運営した場合、実店舗の売上よりもECサイトでの売上が勝る場合が多いですが、OtoOを利用すれば、実店舗の売上を増加可能です。また、OtoO新規顧客の獲得にも有効的です。一方デメリットとしては、効果が一時的になりやすい点です。ECサイトでのクーポンも期限が切れたら実店舗への売上は減少してしまいます。そのため、次に紹介するオムニチャネルなどと組み合わせてOtoOを利用すると効果的です。

ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイは、2013年からアパレルスタッフや有名なファッショニスタから一般人まで誰でも自身のファッションを投稿可能なファッションコーディネート検索アプリの「WEAR」を運営しています。WEARは、様々な人のコーディネートを見ることができ、気になったアイテムがあればZOZOTOWNや実店舗で購入可能です。その結果、実店舗へ足を運ぶお客様が増え、ZOZOTOWNでは、国内外から約7000ものブランドの取り扱いがあります。

オムニチャネル

オムニチャネルとは、実店舗やECサイト、SNSなど様々なメディアを利用して、顧客と企業を繋ぎ合わせユーザーを商品購入へと繋げる販売戦略です。オムニチャネルの特徴は、実店舗やECサイト、SNSなどのメディアが全て繋がって存在している点です。例を挙げると、SNSで商品について知り、ECサイトで購入しようとしたけど既に完売だったため、実店舗に訪れ商品を購入したというようなお客様の消費行動がオムニチャネルにあたります。

オムニチャネルのメリットは、様々なメディアを組み合わせて商品を販売しているため、顧客の行動データがたまりやすく、より細かく顧客の行動分析が可能です。反対にデメリットは、実店舗、ECサイト、SNSなど様々なメディアを同時運営する必要があるため、初期コストや労力が必要な点です。そのため、初めはECサイトのみの販売など小さく初めて、徐々に実店舗のオープン、SNS運営開始といったようにオムニチャネル化を進めていくのが良いでしょう。

ユニクロは、オムニチャネルによって売上の拡大に成功しました。

チャンネル別年間購入金額・回数(国内ユニクロ) 参照:ECを本業に。

2019年10月にユニクロを運営する株式会社ファーストリテイリングは、大変興味深いデータを発表しました。上記の表は、国内のユニクロのチャンネル別購入金額と購入回数を表しています。ECのみと店舗のみと併用の3つを比較して、併用が他2つと比較して、平均年間購入金額と平均年間購入回数の両方とも値が高くなっています。このことから、ユニクロはECと店舗を上手く連携して販売を行っていることが分かります。現に、ユニクロでは、オンライン限定商品やオンライン限定サイズといった商品を販売しており、店舗だけでなくオンラインの売上が伸びるように販売戦略を立てています。その結果が、今回紹介したデータに大きく表れています。

最新のビジネスモデルは?

近年、越境EC注目を集めています。越境ECとは、多言語多通貨に対応しているECサイトで、外国の顧客に向けて商品を販売することです。

越境ECは、日本だけでなくアメリカや中国といった世界各国で注目度を高めています。経済産業省が発表した「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、2026年に世界の越境ECの市場規模は4超8200億USドルにまで拡大されると予想されています。

世界の越境EC 市場規模拡大予測 参照:経済産業省

既に越境ECにより成功を収めている事例もあり、日本の漫画やアニメ、ゲームグッズを海外へと販売している「オタクモード・ドットコム」は、日本のアニメグッズが手軽に購入できると海外のユーザーから支持を集めています。

グローバル化の流れが一層拡大している現代において、越境ECが今後ますます市場規模を拡大するのはほぼ間違いないと言えるでしょう。

まとめ

本記事では、ECサイトのビジネスモデルについてご紹介しました。

今回の記事を通してお分かりいただけた通り、ECにも様々なビジネスモデルがあり、必用とされるスキルや期待できる効果も様々です。

ぜひ、自社のスタイルに合ったECビジネスモデルで、EC事業に取り組んでみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。