「BtoBEC」をご存じでしょうか?ECサイトと言えばAmazonや楽天などの「CtoCEC」を思い浮かべる人が多いと思いますが、「BtoBEC」も近年注目を集めています。
本記事では、「BtoBEC」の説明から、事例や市場規模、構築方法まで詳しく紹介します。「BtoBEC」に興味がある人やこれから「BtoBEC」を立ち上げようと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
- BtoBECサイトについて
- BtoBECサイトの事例、市場規模、構築方法について
BtoBECとは
BtoBとは、「Business to Business」の略称で、企業が企業に対して商品やサービスを提供する形態です。これに対して、BtoCは、「Business to customer」の略称で、企業が顧客に対して商品やサービスを提供する形態を表します。
続いて、ECとは、「electronic commerce」の略称で、インターネット上でモノやサービスを売買する仕組みを指します。つまり、「BtoBEC」とは、インターネット上で企業が企業相手に商品やサービスを提供することです。
BtoBECで有名な業界には、建設・不動産や情報通信、製造などがあります。取引先が企業ということもあり、専門性の高い商品を多く取り扱う傾向にあります。
事例一覧
BtoBECで成功している企業を3社ご紹介します。
1.モノタロウ
モノタロウでは、工具用品を取り扱っています。1800万点の取扱商品があり、少量購入と大量購入両方に対応していることで多くの企業から人気を集めています。
2.Amazonビジネス
Amazonビジネスは、Amazonが法人向けに提供しているサービスです。取り扱い商品数が多く、お得な法人価格や請求書払いができることから人気を集めています。
3.クスリバンク
クスリバンクは全国の薬局・ドラックストア5000店舗と取引する薬に特化したBtoBECです。取り扱い商品数は35,000点と非常に充実しており、オリジナルブランド商品の販売にも力を入れています。また、薬の購入だけでなく、買い取りもできる点が人気の理由です。
市場規模は年々上昇傾向
参照:経済産業省
上記の図表はBtoBECの市場規模の推移を表しています。2015年は2,872,250億円だったECの市場規模は2019年には3,529,620億円と年々増加傾向にあります。そして、これからもBtoB-ECの市場規模は増加していくと予想されます。また、EC化率も年々増加していることから、これからの時代、直接販売だけのBtoB取引では、生き残っていくことは厳しいことが予想されます。
構築方法は7通り
環境構築の方法は以下の7通りです。
1.BtoBECの環境構築方法の種類を知る
初めにBtoBECの環境構築にはどのような種類があるのか理解しておく必要があります。BtoBECの環境構築方法は大きく以下4つがあります。
1.ASP型
ASPとは、「Application Service Provider」の略称で、ECサイトに必要な環境をインターネット上で、提供してくれるサービスのことです。ASP型は、短期間でECサイトの構築が完了することや、システムの保守管理が不要といった楽に運用できること、初期費用やランニングコストを抑えられるなどといったメリットがあげられます。反対にデメリットとしては、サイトの自由度が低いといったことがあげられます。
2.パッケージ型
パッケージ型とは、ECサイトの環境構築に必要となる機能をひとまとめにしたパッケージサービスを利用する方法です。パッケージ型を利用するメリットは、ECサイトを一から構築するよりも圧倒的に構築期間を短くできる点です。また、ソースコードを公開しているパッケージの場合、サービスに合わせてカスタマイズすることができるといった自由度の高さも魅力の一つです。一方、デメリットとしては、パッケージによっては、数百万円するような高額なパッケージサービスも存在しており、高額の月額利用料がかかるなど費用がかさむ場合もあるでしょう。
3.オープンソース型
オープンソース型とは、インターネット上に無料公開されてあるソースコードを利用して、環境構築を進めていく方法です。無料公開されているソースコードを使用するため費用が抑えられる、自由にカスタマイズできるといったメリットがあります。反対にデメリットとしては、セキュリティ面を自ら対策していく必要があるため、セキュリティが脆弱になりがちといった点があげられます。
4.フルスクラッチ型
フルスクラッチ型とは、既存のパッケージを使用せずに一からECサイトを構築していく方法です。世界に一つだけおオリジナルのECサイトがつくれるといったメリットもありますが、全てを一から作成するため、巨額の制作費用や開発に膨大な時間を要するなどのデメリットもあります。そのため、中小企業よりは、大手企業にオススメの環境構築方法と言えるでしょう。
2.コンセプト定義
コンセプト定義プロセスでは、ECサイトのコンセプトを決めていきます。具体的に、誰をターゲットとするのか、サイトのデザインはどんな雰囲気にするのかなどのサイトの核となるコンセプト部分を作成します。
3.要件定義
コンセプト定義を基に、ECサイトでどんな商品を販売するのか、必用な機能は何かを洗い出します。
4.ECサイト構築方法の決定
「1.BtoBECの環境構築方法の種類を知る」で紹介した4つの環境構築の方法からどの方法で環境構築を進めていくかを決定します。
どの環境構築方法にもメリットとデメリットが存在するため、環境構築に使える予算はいくらなのか、構築期間はどれくらいを想定しているのかなど自社に合った環境構築方法を選択しましょう。
5.ECサイトのコーディング
ECサイトのコーディングでは、サイトのデザインを制作していきます。このプロセスでは、ユーザーが利用しやすいように、UIやUXを考えたり、サイトに訪れたお客様が最初に目にするトップページのデザインを意識して制作していくと良いでしょう。
6.決済機能の導入
BtoCECサイトでは決済機能の導入が必須となります。しかし、BtoBECの場合は、決済機能を導入するか、扱う商品やサービスの金額が大きい場合にはお客様から請求書を発行していただくといった決済方法もあります。ECサイトで扱う商品の金額がどれくらいなのか考えたうえで、必用に応じて決済機能を導入しましょう。
7.テスト運用
本番の運用を行う前に必ずテスト運用を行いましょう。テスト運用では、サービスに不具合がないか、セキュリティは大丈夫かなどのテスト項目を用意してテスト運用を行うとより良いECサイトとなります。
まとめ
本記事では、BtoBECの説明から、事例紹介、市場規模、環境構築方法について紹介してきました。
BtoBECを構築することで、全国の企業相手に商品販売することが可能なため、売上を2倍、3倍と伸ばしていけます。特にASP型でのEC構築であれば、費用も開発日数も抑えられるため、オススメです。BtoBECに興味が湧いた方は、ぜひ本記事を参考にECの環境構築を検討してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。