【ECサイトとは】実例から学ぶ!ECの基礎知識と参考サイト3選!

近年スマートフォンの普及に加えて、コロナ禍によりますます需要が増えているのが、オンライン上で買い物ができる「ECサイト」です。

Amazonや楽天に頼らず自社でECサイトを運営するにはメリットが多くあります。

しかし一方で、何もわからないままECを担当すると迷う人も多いでしょう。

そこで今回はECサイトの基礎知識とすぐにできる運営方法について解説します。

ECサイトの担当になった方は必見ですよ。

 

この記事でわかること

  1. ECサイトの基礎知識
  2. 今日からできるECサイトの運営方法

ECサイトって何?

ECサイトとは、「Electronic Commerce」の頭文字を取って呼ばれている「電子商取引」のことです。

インターネット上で商品を販売するサイトを指し、「Eコマース」や「ネットショップ」などとも呼ばれます。

スマホの普及により需要が伸びていたところに、コロナ禍の影響もあってより注目を集めています。

インターネットに接続されたパソコンやスマホでECサイトにアクセスして欲しい商品を購入する流れは、誰しも一度くらいは経験したことがあるでしょう。

以前ならば家にいないと商品を受け取れなかったECですが、徐々にコンビニや駅前のボックスでも受け取れるようになる「オムニチャネル化」によって市場規模を拡大し続けています。

イオンやイトーヨーカドーのような大手スーパーでさえもこぞってECへ参入している現代において、ECはまさしく新たな市場となりつつあるのです。

開設〜運営にかかる費用の相場

大前提として、ECサイトの相場は機能や構築方法に応じて費用が変わります。

ざっくりとまとめると以下のようになります。

  • 低コストで始めたい場合:無料~10万円以下
  • 費用を抑えながら独自のECサイトを運営したい:10万~100万円
  • オリジナルのECサイトを運営したい:100万~500万円
  • 本格的なECサイトを運営したい:500万円以上

この内、もっとも低価格で始められるECサイトが、楽天やYahoo!ショッピングなどに出店するか、BASEなどの無料のASPを使う方法です。

あらかじめ用意されているテンプレートのデザインに写真やテキストをはめ込むだけなので、誰でも簡単にECサイトを始められるのが特徴です。

ただし場所を借りているような状態なので、販売時のロイヤルティや月額料金・手数料などで運用費用がかかるのは注意してください。

よりオリジナル性を出すのなら、オリジナルのECサイトを構築する必要が出てきますが、費用面でかなりかかるので予算と相談しましょう。

ECサイトの種類

一口にECサイトといっても、その種類は様々です。

ECサイトの種類は現在5種類あり、それぞれ役割が違います。

自社が目指すものはどこなのを明確にした上で出店するようにしましょう。

  • 単店舗型
  • BtoB型
  • オムニチャネル型
  • ショッピングモール型

それぞれ詳しく解説します。

単店舗型

単店舗型のECサイトは、自社製品を販売するために独自に構築したサイトを指します。

サイトの構築方法としては以下があります。

  • フルスクラッチ:全て自分たちで作る
  • パッケージ:プラットフォームのあるショッピングカートシステム
  • オープンソース:誰でも無料で使えるが、トラブルの可能性あり
  • クラウド:クラウド上にあるプラットフォームを使って作る
  • ASP:サイト構築に必要な機能をが揃ったシステムで作る

それぞれ一長一短ですので、自社が運営できる範囲で選択しなければなりません。

特にフルスクラッチやオープンソースはそれ相応の知識が無ければ運営が難しいため、外部に委託することも必要になってきます。

単店舗型のECサイトを始めたい場合は、ASPやクラウド、パッケージから入るのが良いでしょう。

BtoB型

読んで字の如く、企業間取引を行うECサイトです。主に営業面の業務効率化や売上アップで活用されています。

BtoB型のECサイトも大きく分けて2種類存在し、

  • クローズ型:ID・パスワードをかけて既に取引のある顧客のみやり取りするサイト
  • スモールB型:法人を対象とした新規顧客を獲得するためのサイト

既顧客と新規開拓により違ってくるので、どちらを重視したいのかは十分に検討してください。

オムニチャネル型

オムニチャネル型とは、様々な販売経路(チャネル)を統合して活用し、売上をアップさせる仕組みです。

例えば実店舗のある事業所が、実店舗とECサイトの在庫情報や顧客情報を一元管理することで、顧客の利便性を高める効果を持ちます。

実店舗・ECサイトを同様の認識で使えるため、近年ますます需要の高まりが予想される分野となります。

ショッピングモール型

ショッピングモール型とは、1つのECサイトの中に様々な店舗が出店している状態を指します。

現実で言うところのショッピングモールと同様の意味を指し、イオンモールなどを思い浮かべていただければOKです。

Amazonや楽天もショッピングモール型に当たります。

参考例

次にそれぞれのECサイトの参考例を見ていきます。

是非参考にしてみてくださいね。

単店舗型

BtoB型

オムニチャネル型

ショッピングモール型

ECサイトの構築方法

ここからはECサイトの構築方法を解説します。

ECサイトを作る方法は、費用の相場でも解説したようにいくつか方法があります。

  • 無料ASPを使う
  • 有料ASPを使う
  • クラウドサービスを使う
  • クラウドサービス(海外)を使う
  • パッケージを使う
  • オープンソースを使う
  • SNSを使う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

無料ASPを使う

無料ASPは、CMでも良く見かける「BASE」や「STORES」が有名です。

共に無料で簡単にECサイトを始められるので、個人~企業まで幅広い人が使えます

無料ASPはインターネットの専門知識も不要なため、誰でも簡単にECサイトを始められるのが大きな強みです。

決済手段も豊富なため、顧客の希望に合う決済方法を取り入れやすいのも利点のひとつです。

一方で共通のプラットフォームのため、ショップの独自性を出すのが難しいという欠点があります。

また無料と言っても決済時の手数料などはかかりますので、ご注意ください。

有料ASPを使う

有料ASPは、「MakeShop」や「FutureShop2」などが有名です。

有料と言っても初期費用や月額費用が1万円程度でスタートできるものが多いので、僅かな差でしかありません。

無料ASPと比べると機能やサポート面が充実している場合が多く、外部ツールとの連携も強化されているので、より使いやすく感じるでしょう。

一方でカスタマイズ性には欠けるため、事業効率化のために一部を変更したいといった要望には応えられない側面を持ちます。

クラウドサービス

クラウドサービスは、「メルカート」や「ebisumart」などが有名です。

一見ASPと似ているのですが、ユーザー側がインフラやソフトウェアを持っていなくてもサービスを使えるという利点を持ちます。

更にある程度のカスタマイズを行うことが可能なものもあるので、ASPでは満足できなくなった次のステップとしてオススメです。

フルスペックで使おうとするとコストがかかりますが、必要なサービスのみ利用すればある程度のコストカットが可能です。

クラウドサービス(海外)

クラウドサービスでも海外資本のサイトを使う方法もあります。

代表的なものは「Shopify」や「SalesForce CommerceCloud」があります。

どちらも海外発祥ですが、日本語対応しているので英語がわからなくても使えるのが大きな特徴です。

海外を視野に入れた販路を構築したい場合にオススメです。

パッケージを使う

パッケージは、ECサイトに必要な機能をパッケージ化したシステムのことです。

パッケージには最初からカート機能や受注・売上・顧客管理などの運営に必要な機能が全て含まれているのが特徴です。

パッケージ化できていない機能に関してはカスタマイズで揃えることも可能なので、自由度の高い方法でもあります。

ECでの年商が1億以上の法人か、販売方法が独自の商品を取り扱っている場合に利用すると良いでしょう。

オープンソースを使う

オープンソースは、プログラムの知識があれば誰でもサイトの機能を追加したり改造したりできるECサイトを指します。

「EC-CUBE」がその代表格です。

オープンソースは無料で誰でも利用でき、カスタマイズも自由にできるので独自色を出しやすい特徴を持ちます。

しかし一方である程度のインターネットの知識が必要なのと、不具合や障害時の対応は自己で行わなければならない欠点もあります。

セキュリティ面を強化しないと個人情報の漏洩事故も起こってしまうので、扱いには注意しましょう。

SNSを使う

我々の身近になったSNSでもECサイトの構築は可能です。

「Facebook」「Instagram」内においてオンラインショップを開設できるようになっています。

無料でECショップを開設できるのが大きな強みで、集客力の強いアカウントなら売上も当然見込めます。

スマホの普及によりSNSを使う層は増え続けているので、オススメです。

参考サイト3選

では、ECサイトの参考になるようなサイトはどんなものがあるのでしょうか?

是非参考にしてみてくださいね。

株式会社ロッテ

URL:https://lotte-shop.jp/shop/contents2/law.aspx

株式会社ロッテでは、それまでグループ間でバラバラに運営していたECサイトを2020年6月23日に統合し、グループ全体のECサイトとしてリメイクしました。

ロッテにとって自社ECサイトはコンビニやスーパーなどで棚落ちした商品を販売する良い場所でしたが、認知度が高くありませんでした。

そこでロッテは売上だけでなくブランディングも高める方法を取り、新商品の詰め合わせセットなど流通しているのものの手に入りにくい商品を消費者へ届ける方法を取りました。

そうすることで新商品のサンプリングもでき、会員には市場販売価格よりも割安な代わりに商品へのアンケートを購入条件とすることで、消費者の声が確実に届くような仕組みを構築しています。

アンケートの回収率は脅威の9割超えを実現し、次の商品のパッケージや流通時のPOPデザインなどに活かされています。

消費者と一体となってグループ全体を盛り上げていく良い成功例です。

 

イシグロ株式会社

URL:https://www.ishiguro-gr.co.jp/

イシグロ株式会社は、主にBtoBのECサイトで成功している会社です。

配管などを取り扱っているイシグロ株式会社においてネックとなっていたのが「業界専門用語」でした。

カタログにも載っていないその業界独自の名称は、製品名ではないために新人泣かせであり、咄嗟に対応できない場合が多々ありました。

イシグロ株式会社では、専門用語をナレッジとしてデータベース化することで、業界専門用語で検索しても商品が出るような仕組みを構築しました。

それだけには止まらず、関西・関東などで呼び方が違う商品もデータベース化し、より検索しやすいシステムへとアップデートしています。

BtoBだからこそ、業界の人間が普段使う言葉でも商品を検索できることで利便性を高めることに成功した、良い事例です。

 

株式会社エービーシー・マート

URL:https://www.abc-mart.net/shop/?utm_source=map&utm_medium=referral

株式会社エービーシー・マートは、オムニチャネル戦略で成功しているサイトです。

EC店舗の総合的なサービス向上を目指し、スマホを中心としたECサイトの利便性向上や、店舗受け取りサービスの拡充に取り組んでいます。

スマホにおいてはアプリの配信に加え、実店舗とECサイトでポイントを共通することで利便性を向上させています。

更にECサイトで予約した商品を実店舗で実際に試着や購入ができる上に、実店舗で欠品している商品をすぐさま検索し直接配送するサービスまで行っています。

いち早く顧客のニーズに応える方法として、実店舗・ECサイト・メーカの在庫状況まで共有しているのです。

その取り組みによって、店舗・ECサイトの販売力の底上げはもちろん、商品調達力の強化も実現しています。

まとめ

ECサイトはAmazonや楽天などがあるため、なかなかメーカーから直接買おうとする消費者が少ない現実があります。

しかしAmazonや楽天に出店すると、その分中抜きが発生し、利益が下がってしまいます。

中抜きなく利益を得るためには乗り越えるべき課題が山積していますが、「商品戦略」「広告宣伝」などわけて考える必要がでてきます。

加えてユーザーが会員になるメリットは何なのかを明確にし、中長期的にファンを作っていくような工夫が必要です。

今回挙げた事例を参考にして、企業独自の強みを活かせるECサイトを作成してみてくださいね。