EC担当者に求められる5つのスキルとは?身につけ方までわかりやすく解説

「はじめてEC担当になったんだけど、何をすればいいのかわからない」
「EC担当で必要なスキルは何があるの?」

EC担当になった方で、そのような疑問を持っている方は多くいます。

コロナの影響もありECの需要が年々高まりつつある今、個人・企業問わずEC市場は非常に重要です。

今回はそんなEC事業において、担当になった方に求められるスキルを中心に解説します。

この記事でわかること

  1. EC担当者が身につけておくべきスキル
  2. 誰でもできるスキルの身につけ方

EC担当者とは?

EC担当者とは、ざっくり言えばEC事業全般を担当する人を指します。ネットショップやAmazon・楽天などのインターネット通販サイトを総じてEC(Electronic commerce)と呼びますが、それらの運営を一手に引き受けるわけです。

ECではその性質上、アクセス解析ツールでユーザー属性や遷移などを多角的に分析できるため、単なる運営だけではなく分析し改善していくことも重要な業務の1つとなっています。

コロナ禍もあってEC需要が伸び続けている今かだからこそ、EC事業に新規参入する企業が増えています。

そのため、データ分析に基づいた施策を活用し売上を伸ばせる人材が求められている状況です。

詳しいことは以下の記事で深掘りしていますので、ぜひご覧ください。

EC担当者に求められる5つのスキル

ECの担当者は様々な業務をこなします。

「フロント業務」「バックエンド業務」にわけられる仕事のうち、商品登録や受注管理・物流に関係するバックエンド業務は、近年ではアウトソーシングする流れが主流になりつつあります。

そのためEC担当者に求められるスキルはほとんどがフロント業務で使うものとなるでしょう。

特に以下のスキルは必須です。

  • 数値分析能力
  • Excel
  • Photoshop・Illustrator
  • HTML/WordPress
  • Webマーケティング/SEO

それぞれどういったスキルなのかと、その身につけ方を具体的に解説します。

数値分析能力

ECサイトを運営する上で必須となる能力が、数値分析能力です。

実際にサイトを訪れているユーザーの属性を知り、効果的な施策を打ち出すことが常にも求められます。

実店舗と違う点として、ECサイトを訪れただけでそのユーザーの年齢や性別、居住地などがわかる点です。

これらはユーザーがあらかじめ登録しているユーザーデータ(Googleの場合はアカウント情報など)から情報が集められるため、参考数値として活用できます。

自社で会員制のECサイトを運営している場合は、よりリアルな数値を集めることも可能です。

そうした数値を分析し販売方法を改善していくことで、EC全体の売上上昇を見込めます。

数値分析能力は、ECサイトの売上を向上させるために最も重要なスキルです。

身につけ方はこれ!

数値分析能力は、一朝一夕で身につくものではありません。

日々、数値と睨めっこし仮説を立て、アウトプットしていくことで鍛えられていくものです。

そのため興味を持ったものなら仕事を問わず分析することが一番の近道となっています。

同様にアウトプットも非常に重要です。

分析した内容を言語化することで、内容の正しさのみならず、第三者からフィードバックを得られます。

数値分析は客観的な視点が求められるため、有意義に活用しスキルを磨きましょう。

また数値分析能力を鍛える際は、以下のフレームワークを活用するのもオススメです。

  • 原因の分析
  • 因果関係の分析
  • 相関分析
  • 環境分析
  • SWOT分析
  • プロセス分析
  • 構造分析
  • 時系列分析
  • 定量分析
  • 定性分析

これらを複合的に活用することで、自社にとって有益な分析をすることが可能となります。

Excel

EC担当者にとってExcelは必須のスキルです。既に他の業務で使っている方もいるでしょうが、ECでは必ず使います。

特に売上管理。

ツールによっては自動でデータを作成してくれるECサイトもありますが、自社でECサイトを運営している場合は担当者が売上管理データを作成する場合が考えられます。

他にも以下のような機能を使います。

  • グラフの作成
  • 関数
  • ピポットテーブル

いずれも業務で使う機能ばかりです。

そのためなるべく覚えておくとスムーズに作業が可能です。

ショートカットキーを駆使すれば作業時間の短縮にも繋がりますので、なるべく習得しておきましょう。

身につけ方はこれ!

Excelは世界中の幅広い業種で使用されているため、身につけるための方法は様々あります。

特に以下の5つが主要な勉強方法です。

  • 書籍
  • YouTube
  • Microsoft公式ページ
  • MOS(資格)
  • セミナー

注意したいのがMOSです。

Excelは3年ごとにアップデートされるため、デザインや仕様が変わると操作方法が一新したなんてことが充分あり得ます。

そのため各バージョンごとにしか勉強できないMOSは、あまり良い勉強方法とは言えません。セミナーも同様です。

Excelは日常的に使用することが一番の勉強法となるため、書籍を一冊購入し常に作業机の手に取りやすい位置に置いておきましょう。

自宅で勉強する際はYouTubeなどの動画サイトを使うと、実際の操作方法が動画として見られるため学びやすいです。

とにかく毎日Excelに触れて操作方法に慣れることを心がけてください。

Photoshop・Illustrator

EC担当が必ず触るソフトが、PhotoshopとIllustratorです。そのためソフトのスキルは必須となります。

どちらもAdobeが提供しているソフトで、広告業界や出版業界など様々な職種で主力となっているソフトです。

ECサイトを運営する場合、以下のような違いになります。

  • Photoshop:掲載する商品画像の加工
  • Illustrator:バナーの作成

PhotoshopでIllustratorの作業をすることもできますが、範囲は限定的です。

よりユーザーに訴求力のある素材を作るのなら、Photoshop・Illustratorともに慣れておくことをオススメします。

かつては高価なソフトでしたが、2022年6月現在においてはサブスクリプション型で提供されているので、自宅で勉強しやすくなっています。

また両者とも様々な業種で活用できるため、身につけておくと転職の際でも大活躍するでしょう。

身につけ方はこれ!

PhotoshopとIllustratorはプロが使うソフトです。

そのためExcelよりも幅広い学習方法が提供されています。

以下が主な身につけ方です。

  • 専門学校へ通う
  • ハローワークで職業訓練を受ける
  • 書籍
  • 動画
  • Adobeの公式サイト
  • オンライン講座

中でもオススメなのが書籍・動画・オンライン講座の3つになります。

専門学校はコストと時間が非常にかかるのと、ハローワークでは実務レベルまで達することがまずありません。

基本的な操作は書籍や動画で可能なので、どうしても講座として学びたい場合だけオンライン講座を選びましょう。

PhotoshopやIllustratorに限った話ではありませんが、一番有効なのは「習うより慣れろ」です。

毎日ソフトに触れることを意識してみてください。

HTML/WordPress

HTMLとWordPressもECサイト運営で重要です。

Amazonや楽天といったECモールや、BASEに代表されるASPカートを使っている場合は、全く知らなくても問題ありません。

しかし自社でECサイトを運営する場合、HTMLとWordPressは必ず触れる機会が訪れます。

両者の違いは以下を参照ください。

  • HTML:Webのコンテンツを形作る言語。全てのWebサイトはHTMLによって構成されている
  • WordPress:誰でも利用できる世界で一番人気の無料Webサイト制作ツール。ブログやECサイトなど幅広く使われている。

一見すると難しく感じられるかもしれませんが、HTMLは難しい言語ではありません。

非常に簡単な言語なため、一週間もすれば身につくでしょう。

WordPressも同様で、誰でも直感的に使えるUIとなっているのもあって、初心者ブロガーでも使っている方が非常に多いツールです。

利用者が多い=Webで解決方法が多数見つけられるので、困った部分があれば調べるとすぐに解決できる場合がほとんどでしょう。

身につけ方はこれ!

HTMLとWordPressは利用者が非常に多いことから、学ぶ機会が様々あります。

特に以下はその代表格です。

  • 書籍
  • 動画
  • Webサイト
  • オンライン講座

中でも圧倒的にコスパが良いのは、書籍とWebサイトの組み合わせとなります。

ほぼこれだけでOKです。

Webサイトに手順つきで掲載されている場合が非常に多いため、わざわざ動画やオンライン講座で学習する必要はありません。

何より、毎日触っていると基本的に慣れます。

Windows・Macによる違いもないので、自宅での学習も容易です。

無理にオンライン講座を受講しなくて良いでしょう。

Webマーケティング/SEO

ECサイトはWeb上で運営するコンテンツのため、WebマーケティングやSEOのスキルが必要不可欠です。

Webマーケティングによって売上が倍以上変わることも充分にあり得ます。

そのため日々変わるWebマーケティングやSEOの知識を身につけて時代に置いていかれないようにしなけらばなりません。

中でも特に優先度を高くしたいのが、SEOです。

SEOとは「Search Engine Optimization」と略で、検索エンジン最適化と訳します。

このSEOのスキルを磨くことで、自社のECサイトを検索結果のページ上位に表示させ、流入数を増やすわけです。

ECサイトで売上を上げるためには、検索結果で上位表示させることが求められます。EC担当者は、Webマーケティングの一環としてSEOの知識を身につけ、自社のECサイトを少しでも有利な状況する必要があります。
結果、他社との差別化も図れるため重要です。

身につけ方はこれ!

WebマーケティングとSEOの身につけ方は、以下のものがあります。

  • 書籍
  • Webサイト
  • 動画
  • オンライン講座
  • セミナー

中でもオススメなのが、Webサイトと動画になります。なぜならWebマーケティングの世界は日々アルゴリズムやトレンドが変わるため、毎日学び続けるのが基本だからです。

そのため基礎的な部分なら書籍やオンライン講座、セミナーで身につけられますが、最前線で戦うEC担当者には物足りません。

一方で、Webサイトや動画は情報が刷新されやすく、刻々と変化していくWebの世界にも比較的追従できます。

基本的には日本語のサイトでOKですが、より最前線の情報を仕入れたい場合は英語を勉強すると良いでしょう。

GoogleをはじめとしたWebサービスは英語が主流であり、かつ発信も英語でされているためです。

語学能力のあるなしでも大きく変わるので、一緒に学ぶことをオススメします。

EC担当は最初からスキルがなくても大丈夫?

EC担当になった際、最初からスキルがあるに越したことはありませんが、なくても大丈夫です。

運営をしながら身につければいいのですし、何よりWebの世界は日々変化しているので、今日の知識が明日には役立たずになっているケースも多々あります。

またECサイトを運営する上で必要なスキルは、日々の業務によって身につけていくものがほとんどです。

そのためEC担当として日々の業務を過ごしているうちに、いつの間にか身についていた方も多くいます。

EC運営で必要なスキルは決まっているので、後は担当になってから日々学習すればOKです。

注意したいのが、サボればサボるほどWebの流れに置いて行かれるという点でしょう。

日々スキルを学んでいけば、大丈夫です。

まとめ

EC担当は、EC運営に関わる全ての業務をこなす必要があります。

「フロント業務」「バックエンド業務」の2種類にわけられ、バックエンド業務はアウトソーシングも活発なためフロント業務を主に担当することになるでしょう。

フロント業務で身におきたいスキルは5つあります。

ECサイト運営において必須とも言える「数値分析能力」「Webマーケティング/SEO」や、「Excel」「Photoshop/Illustrator」のようなソフト関連まで様々です。

しかしそのほとんどが、日々使っているうちに慣れていくものばかりとなっています。

オンライン講座やセミナーに参加し短期的に学ぶのも良い方法ですが、Web関連は日々アップデートされていくので、身につけた頃には既に古い知識となっている場合が往々にしてあります。

EC担当になったら、Webサイトなど最新の情報に触れられる環境のもと、スキルを磨いていくと良いでしょう。