コロナ禍の影響で、外出する機会が減り、オンラインで買い物をする人が増加しています。ECサイト市場規模は年々右肩上がりに増加しており、特に家電や衣類、食品、インテリアなどの物販系のECサイトの市場規模は新型コロナウイルスの影響もあり、特に成長しています。本記事では、ECサイトの売上ランキングを徹底分析し、売れるECサイトの特徴や傾向、トレンドを解説していきます。これからECサイトを立ち上げる予定の方や、今後どんなECサイトに需要が集まるのか興味があるからはぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
- 人気のECサイトについて
- ECサイトで売り上げを伸ばすためのポイント
ECサイトランキング
順位 | 社名 | EC売上高(百万円) | 主要商材 |
1 | アマゾンジャパン | 1,722,300 | 総合 |
2 | ヨドバシカメラ | 138,559 | 家電 |
3 | ZOZO | 125,517 | 衣料品 |
4 | ビックカメラ | 108,100 | 家電 |
5 | ユニクロ | 83,200 | 衣料品 |
6 | デル | 63,000 | PC |
7 | オイシックス・ラ・大地 | 61,340 | 食品 |
8 | ディノス・セシール | 58,165 | 総合 |
9 | ジャパネットたかた | 58,000 | 家電 |
10 | 上新電機 | 57,134 | 家電 |
上記の表は、「月刊ネット販売」が実施したECサイトの売上高調査で、2020年のECサイトの売上高をランキングにしたものです。
ランキングの主要商材の列に注目すると、トップ10の中に家電を扱うECサイトが4つも入っていることが分かります。また、衣料品を扱うECサイトも近年売り上げを伸ばしています。
EC業界の市場規模
ECサイトは大きく物販系、サービス系、デジタル系の3分野に分類することができます。今回は、3分野それぞれの市場規模や成長率について見ていきます。
物販系のECサイト
まず、物販系のECサイトは3分野の中で最も市場規模が大きいです。2020年に経済産業省が発表した調査によると2020年の物販系ECサイトの市場規模は、122,333億円でした。2019年と比較して21.71%も市場規模が拡大しました。物販系のECサイトが伸びでいる背景として、2020年から続く新型コロナウイルスの影響が強く、外出が制限される中、オンラインで買い物をする人が増えたことが関係しています。新型コロナウイルスの影響が長引くことを考えても、今後も物販系のECサイトの市場規模はさらに拡大していくと考えられます。
サービス系のECサイト
次に、サービス系のECサイトについてです。サービス系のECサイトは旅行サービスや飲食サービス、チケットサービス、フードデリバリーサービスなどがあります。2020年に経済産業省が発表した調査によるとサービス系のECサイトの市場規模は45,832億円で、2019年と比較して36.05%下がりました。サービス系のECの市場規模が縮小した背景として、新型コロナウイルスの影響で旅行や飲食店、ライブなどが制限されたことが大きく関係しています。そんなサービス系のECサイトでも、フードデリバリーや医療、教育などの分野は市場規模を拡大しています。こちらは新型コロナウイルスの影響で需要が増えたため、市場規模が拡大しました。今後のサービス系のECサイトについて、新型コロナウイルスの感染状況が完全に収まるまでは、2020年の流れが継続すると考えられます。
デジタル系のECサイト
最後に、デジタル系のECサイトについてです。デジタル系のECサイトには、オンラインゲームや電子書籍、音楽配信、動画配信などがあります。2020年に経済産業省が発表した調査結果によると、デジタル系のECサイトの市場規模は、24,614億円でした。2019年と比較して14.90%市場規模を拡大しました。背景として、こちらも新型コロナウイルスが大きく影響しており、自宅で過ごす時間が増えたことにより需要が増えたことが大きく関係しています。デジタル系のECサイトに関しては、IT技術の進歩により新型コロナウイルスが終息した後もますます市場規模を拡大していくと予想されます。
売れるECサイトの傾向
売れるECサイトの特徴は、他のECサイトと差別化できているかが大きく関係してきます。
具体例を見ていきましょう。
2020年最も高い売上高を記録したアマゾンジャパンは2019年から、配達員と非対面で商品を受け取ることが可能な「置き配」ができるようになりました。「置き配」は新型コロナウイルスの感染予防に繋がるだけでなく、再配達を行う必要がなくなるため、商品を配達するドライバーの負担も減らせ、結果的にECサイトの売り上げを伸ばすことに成功しました。
大手ファッションECサイトのZOZOTOWNは、洋服をオンラインで購入するとサイズ感や着用感が分かりにくいといったデメリットをモデルの着用画像を商品ページに増やすことによってカバーしました。さらにお金をあまり持っていない学生や20代の方でも洋服を気軽に購入できるように「つけ払い」を支払いの際に選択できるようにしました。このような工夫によりZOZOは年々売り上げを伸ばし、今では日本最大級のEアパレルCサイトをなりました。
他社のECサイトと差別化を行うことが売れるECサイトの特徴であり、様々なECサイトが誕生している現在では差別化ができないECサイトが勝ち残るのは難しくなっています。
トレンドの業界はある?
ECサイト業界のトレンドとして、「DtoC」があげられます。
「DtoC」とは、Direct to Consumerの略で、メーカーが直にECサイトで商品を販売し、お客様に届ける販売方法です。「DtoC」が取り上げられるようになった背景には、個人で簡単にECサイトを作ることができるようになったことが大きく関係しています。以前は、企業がテレビやラジオでCMを流し消費者に購入を促すことが一般的でした。しかし、SNSが世間に浸透したこともあり、テレビやラジオでCMを流す資金を持っていない会社や個人でもインスタグラムやYouTubeなどを使用し商品の宣伝をできるようになりました。その結果、メーカーから直接消費者に商品を届ける「DtoC」がEC業界のトレンドとなっています。
2つ目のトレンドとして、衣料系のECサイトがあげられます。衣料系のECサイトはZOZOやユニクロを筆頭に近年急激に売り上げを伸ばしています。数年前までは、サイズ感や素材が分かりにくいことからオンラインで洋服を買うのに抵抗を持つ人も多くいました。しかし、近年はオンラインで、洋服を買う人が増え、個人で洋服やカバンなどを販売できるプラットフォームも存在します。コロナ禍で外出の制限もかかっていることもあり、今以上に衣料業界はECサイトは売り上げを伸ばしていくと予想されます。
まとめ
ECサイトの売上ランキング結果から売れるECサイトの特徴や傾向を解説してきました。ECサイト業界は今後ますます市場規模を拡大させ、ECサイトでどれだけ売り上げを伸ばしていけるかが、今後ますます重要になってきます。そのためには、他社と差別化したECサイトを作ることが重要であり、売れているECサイトが他社とどのように差別化しているか調べてみるのも良いでしょう。