ECサイトを立ち上げようと思った時に「どんな方法で立ち上げたらいいんだろう?」と悩む方は多いです。
しかしECサイトの構築方法には様々なものがあり、個人か企業か、はたまた大企業かによっても向き不向きが変わってきます。
今回はそんなECサイトを立ち上げたいと考えている方に向けて、ECサイトの立ち上げ方法と費用・注意点をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 自分にあったECサイトの立ち上げ方
- 各ECサイト構築サービスの費用感
ECサイトを作る方法は8つ
ECサイトを作る方法は様々なものがあり、2022年4月現在では下記の8種類があります。
- 無料ASP
- 有料ASP
- クラウドEC
- 海外クラウドEC
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
- SNS
多いなと思った方も多いでしょう。
それぞれどういったものか詳しく見てみましょう。
無料ASP
無料ASPは、主に個人事業主や試験的にECサイトを始める法人に向いているサービスです。
代表的なサービスは以下のものがあります。
- BASE
- STORES
TVCMでご存知の方も多いのではないでしょうか。
無料ASPの特徴は、インターネットの専門知識不要で誰でも簡単にECサイトを立ち上げられる点です。
サービスによっては初期費用や月額費用が無料であったりと、余計な費用がかからないのも魅力でしょう。
一方でサイトのデザインがどうしても似通ってしまうため、独自色の強いECサイトを運営したい場合には物足りなく感じるかもしれません。
有料ASP
有料ASPは、ECに本気で取り組む個人事業主や試験的にECサイトを始める法人向きのサービスです。
代表的なサービスは以下となります。
- MakeShop
- Future Shop2
有料ASPでは初期費用や月額費用はかかるものの、無料ASPと比べるとその分サポートや機能面が充実しています。
また外部ツールと連携することでサービスを次々に展開したい場合も素早く活用できるのが強みです。
一方でASPが保有しているシステム以上のことはできないため、外部サービスとの連携を行って機能拡充をする必要がでてきます。
無料ASPと同じくカスタマイズできないという点が大きな足かせとなるでしょう。
クラウドEC
クラウドECは、ASPと似ているサービスですが、ユーザーがインフラやソフトウェアを持つことなく必要な時だけ利用できるサービスのことです。
代表的なサービスは以下になります。
- メルカート
- ebisumart
サービスによって機能が異なりますが、利用する側が必要なサービスだけ使えるという点では共通しています。
全てではありませんがカスタマイズも行えるため、ASPよりも自由度が高いのが特徴です。
一方で月々数万円のコストはかかるため、必要なサービスだけを利用すればある程度は抑えられます。
大規模ECサイト向けのクラウドECサービスも展開されているため、中堅~大企業まで幅広く利用できるでしょう。
海外クラウドEC
クラウドECのうち、海外で展開しているサービスを指します。
代表的なサービスは以下のものがあります。
- Shopify
- SalesForce CommerceCloud
中でもShopifyはカナダ発祥でグローバル展開している世界最大規模のクラウドECサービスです。
日本語対応やローカライズといった面で不安はあるものの、初期費用・月額費用が有料ASPと大差がないくらいに抑えられているため、国内企業でも導入数が増えています。
デメリットとしては、海外サービスのため日本語化していても若干英語が残っていたり、サポートが不十分だったりするのが挙げられます。
しっかり検討した上で導入するようにしましょう。
オープンソース
オープンソースは、ECシステムの内部構造が公開されており、知識さえされば誰でもサイトの機能を追加・改造できるオープンなシステムを利用した構築方法です。
代表的なサービスは以下のものがあります。
- EC-CUBE
- Magento
EC-CUBEは国内サービスかつ最も有名なサービスです。
オープンソースは自由にカスタマイズが可能なのもあって、機能的な制約もなく自由度の高い独自のECサイトを作れるのが最大の魅力となっています。
一方でプログラムの知識は最低減必要なのに加え、不具合や障害が発生した際は自分たちで対応しなければなりません。
近年ではオープンソースの脆弱性を狙った個人情報の漏洩事故も多数発生しているため、リスクを検討した上で導入しましょう。
パッケージ
パッケージは、ECサイト構築に必要な機能をあらかじめパッケージ化したシステムのことです。
代表的なサービスは以下になります。
- ecbeing
- コマース21
パッケージには、最初からカート機能や受注・売上管理、顧客管理などECサイト運営において必要な機能がほとんど入っています。
そのため自社ECサイトを簡単に作れるのが最大の魅力です。
もしパッケージを導入してから欲しい機能が出た場合、カスタマイズすれば機能追加も簡単にできるため非常に使いやすいでしょう。
初期費用・月額費用もある程度抑えられるのもあって、小規模~大規模まで様々な企業で採用されています。
フルスクラッチ
フルスクラッチは、コストが最もかかるもののECサイトを運営する企業に合わせて作成する手法です。
ゼロから企業のワークフローに合わせてECサイトとシステムを構築するため、その自由度は無限大となっています。
一方でコストが膨大にかかる上、システムが古くなるとまたコストがかかるというデメリットが存在します。
また一度導入するとベンダーを変えにくく、長期に渡って運営できるだけの体力が必要です。
そのため近年ではパッケージやクラウドECへ移行する企業も増えつつあります。
SNS
SNSでもECサイトの立ち上げが可能です。
代表的なサービスは以下のものがあります。
見ればわかるようにメタ・プラットフォームズが提供しているサービスです。
FacebookやInstagramに設置されている「ショップ」という機能を使ってECサイトを立ち上げます。
誰でも簡単にECサイトを始められるため、参入のハードルは極めて低いでしょう。
無料で導入できるため、SNSそれぞれのユーザー属性に合った商品を取り扱えるかがポイントです。
方法別費用一覧
ECサイトの構築方法別の費用を見てみましょう。
以上を見ればわかるように、ぶっちぎりで高いのがフルスクラッチです。
個人事業主や小・中規模の企業の場合、有料ASPかクラウドECが最も無難な選択肢となるでしょう。
目安となる年商規模を参考にしてみてください。
依頼する場合の料金相場
自分でECサイトを構築するのが難しい場合、外部に委託するのも方法の1つです。
コストはかかりますが、プロに任せるので安心感を得られます。
画像を見ていただければわかるように、オープンソース・パッケージ・フルスクラッチは維持費用が別途かかります。
これは継続的な保守運用が必要なため、削ることはできません。
注目したいのがオープンソースです。
フルスクラッチの場合、保守運用は作成した企業に一任するしかありませんが、オープンソースは別の企業に委託しても問題場合がほとんどでしょう。
とはいえ別の企業に依頼した結果、他社が作成した使用面の理解やチェックをゼロからす必要があるため、余程でない限りしないことをオススメします。
依頼する場合のポイントと注意点
ECサイト構築を外部に依頼する際に意識したいポイントや注意点があります。
特に以下の点は必ず抑えておきましょう。
- ECサイトのコンセプトを明確にする
- 完成後のECサイトの修正や運営がしやすいか
- 参考になるサイトをいくつか用意する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ECサイトのコンセプトを明確にする
ECサイトのコンセプトを明確にしておきましょう。
依頼する側が作成したいECサイトが曖昧なままだと、制作会社もどのようなECサイトを作ればいいのかイメージし辛いからです。
またコンセプトを明確にすることで、複数の制作会社に見積もりを依頼する時も比較がしやすいという利点があります。
以上のことから、ECサイトのコンセプトは明確にしておくのがポイントです。
完成後のECサイトは修正や運営がしやすいか
完成後のECサイトが修正や運営がしやすいかも重要となってきます。
とういのも、ECサイトは一度作成すればそれで終了ではないからです。
完璧に作ったと思っていても、実際に運営すると修正したい部分や追加したい部分は必ず出てきます。
そのため、そういった修正・運営がしやすいECサイトを制作してもらうというのは非常に重要なのです。
参考になるサイトをいくつか用意する
参考になるサイトをいくつか用意しておくようにしましょう。
自分がどのようなECサイトを作りたいかと制作会社にわかりやすく伝えるために役立ってくれるからです。
その際は、以下のようなものでOKです。
- デザインイメージが全体的に近い
- 部分的に気になる
- 使用したい機能
- 色使い
- 商品ページの見え方
こういったものがあるだけでもだいぶ変わります。
例えるなら、家を建てる時に内装の参考資料として参考写真を持っていくようなものです。
発注時にイメージしやすくなるのでなるべく準備しておきましょう。
まとめ
ECサイトを立ち上げる方法は様々なものがあります。
それぞれECサイト運営にかかるコストが全く違ってくるので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
自分で構築するのが難しい場合は、外部へ委託するのも良いでしょう。
その場合、共通認識と持った上でECサイトを制作・運用できるように、コンセプトを明確にしたり参考サイトを用意したりするのがオススメです。