海外ECモールに出店する際、気になるのが売上のランキングです。
日本と同じく各モールにはそれぞれ売れ筋や特徴があるため、適切に理解して出店することで売上が期待できます。
しかし実際に調べようと思うと国内ECモールよりも遙かに時間がかかるのが海外のECモールです。
今回はそんな方に向けて海外編としてECモールの売上ランキングを紹介します。
この記事でわかること
- 海外ECモールの売れ筋
- 海外ECモールの特徴
ECモール海外ランキング一覧表
日本と同じように海外でもECモールは非常に活発な市場となっています。
中でも人口が多い中国の市場規模は非常に大きく、10の内6は中国のECモールです。
越境ECをするのなら無視できない市場と言って良いでしょう。
順位 | サイト名 | 売上金額 | 売れ筋 |
1 | Taobao | 58兆170億円 | 日用品 |
2 | T-mall(天猫) | 55兆7,7419億円 | 全て |
3 | Amazon | 52兆7,655億円 | 全て |
4 | JD.com(京東) | 39兆6,578億円 | 全て |
5 | Pinduoduo | 25兆3,142億円 | 全て |
6 | eBay | 10兆5,821億円 | 全て(オークション形式) |
7 | Suning | 3兆6,959億円 | 家電 |
8 | VIP唯品会 | 2兆5,047億円 | アクセサリー・アパレル |
9 | Mercad Libre | 2兆2,145億円 | 全て |
10 | Flipkart | 1兆3,757億円 | モバイル機器・大型家電 |
ECモール海外ランキングTOP10
ここからは海外のECモールの特徴を見ていきましょう。
- Taobao
- T-mall(天猫)
- Amazon
- JD.com(京東)
- Pinduoduo
- ebay
- Suning
- VIP唯品会
- Mercad Libre
- Flipkart
Taobao
Taobao公式サイト:https://world.taobao.com/
売れ筋:日用品
Taobao(タオバオ)は中国最大手のアリババグループによって運営される巨大ECモールです。
ありとあらゆる商品が売買されており、個人・企業問わず出店できる場所として注目を集めています。
偽ブランド品が出回るといった騒動があってから、海外ブランドではなく中国人の生活に密着した商品が売れている傾向にあります。
そのため日用品や食料品、雑貨といった我々が普段購入するような商品が売れ筋として上位に食い込んでいるのが特徴です。
T-mall(天猫)
T-mall公式サイト:https://www.tmall.com/
売れ筋:日用品
T-mailは中国でも最大級のECモールです。アリババグループが運営していると言えば、ピンと来る方も多いのではないでしょうか。
T-mailには2種類あり、中国国内法人向けの「天猫(T-mall)」と海外法人向けの「天猫国際(T-mall global)」にわかれています。
T-mallに出店するには厳しい出店基準をクリアすることが必要となり、これが中国市場での人気を得る切っ掛けにもなりました。
偽物や非正規品が横行している中国ならではの理由だと言えます。
消費者は商品に対して「本物」を求めているため、信頼に足る日本製品ならば売上が期待できるECモールです。
Amazon
Amazon公式サイト:https://www.amazon.com/
売れ筋:全て
言わずと知れた超巨大サイトです。
ワシントン州シアトルに本社を構え、アメリカだけでなく日本を含めた世界12カ国で利用されているグローバルECサイトとなります。
ECサイトと聞いて最初に名前を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
市場規模は非常に大きく、アメリカに至ってはEC市場の約5割のシェアを獲得するほどです。
有料会員数も1億人以上と非常に大きく、ECモールを語る上でなくてはならない存在と言えます。
出展するのも簡単操作でできるため、ハードルも低いのが特徴です。
JD.com(京東)
JD.com(京東)公式サイト:https://global.jd.com/
売れ筋:全て
JD.comは中国のECモールで、南京集団が運営しています。別名「京東(ジンドン)」とも呼ばれています。
2017年からは日本製品専門サイトの「日本館」をオープンさせ、日本企業の誘致に力を入れたことでも話題になりました。
配送面ではヤマトホールディングスの国際物流を担当しているヤマトグローバルロジスティクスジャパンが提携しているのもあって、注文から配送までを迅速に行ってくれています。
そのため日本企業が出店・出品しても従来の発想と変わらない感覚でできるのは、地味ながらも大きいメリットです。
Pinduoduo(ピンドゥドゥ)
Pinduoduo公式サイト:https://m.pinduoduo.com/
売れ筋:全て
Pinduoduoは中国の上海に本拠地を置くECモールです。
アリババが提供するサービスと大きく違うのは「低価格商品を主に扱っている」という点で、その買いやすさから農村部を中心に爆発的に普及した経緯を持っています。
特徴的なのがSNSを使った戦略で、テンセントと協力することによりWeChatやQQを用いてグルーポンのような共同購入型の施策を展開中です。
共同購入型とは、単品では高い商品でも、既定の販売個数をクリアすると格安で割高な商品を購入できる、というシステムを指します。
商品を欲しいと思っている顧客が、安く購入するために自らがセールスマンとしてSNSで発信してくれる新しいビジネスモデルです。
良い商品ならば何もせずとも顧客がSNSで宣伝してくれるのもあって、近年注目を集めています。
ebay
ebay公式サイト:https://www.ebay.com/
売れ筋:全て
ebayはアメリカで第3位のECモールかつ世界最大のオークションサイトです。
アメリカのみならず世界にも展開しており、30カ国以上に拠点を持ち、商品は190カ国に出品が可能となってます。
日本語にも対応していることもあり、越境ECをするならまずeBayと言われるほど有名です。
中古商品が比較的多いことから、Amazonと比べてると安い価格帯で売買されることが多く傾向にあります。
Suning
Suning公式サイト:http://www.suning.cn/cms/
売れ筋:家電
Suningは中国第4位の巨大ECモールです。
家電量販店を前進としており、ECモールを運営しながら主要都市では実店舗も運営しています。
日本だとヨドバシカメラが近しいイメージでしょう。
オムニチャネルを用いて店舗との連携も強化しており、1,600店舗以上を構えている巨大家電量販店です。
日本でも家電量販店のラオックスを買収しているので、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。
近年では越境ECにも力を入れ始めていて、随時募集しています。
日本からの参加も可能なため、良質な日本製の家電を販売したいと考えている方にはオススメのECモールです。
VIP唯品会
VIP唯品会公式サイト:https://www.vip.com/
売れ筋:アクセサリー・アパレル
VIP唯品会は中国のECモールで、2012年にはアメリカで上場も果たしています。
その特徴はなんと言っても「確実に正規商品が手に入る」という点で、ブランドメーカーと直接提携しているからこその信頼性を強みとしています。
第三者を経由せずに商品を仕入れるため、自国の商品を偽物だと疑っている中国の顧客の心を掴んだのです。
偽物が横行する中国ならではの理由とも言えるでしょう。
また期間限定で割引価格等の特典付き商品を販売するフラッシュセールスを行っており、サイト自体へのファンが多く、高いリピート率を誇っています。
ブランド品のみならずECモールへの信頼感も高いため、質の高い商品を販売したい方にはオススメのECモールです。
Marcad Libre
Mercad Libre:公式サイト:https://www.mercadolibre.com.ar/
売れ筋:全て
Marcad Libreはアルゼンチンに本拠地を置く、中南米向けのECモールです。
Amazonと同じく幅広いジャンルを取り扱っていますが、その便利さから中南米ではAmazonよりも利用されています。
その理由は決済サービスにあり、主に利用されているのがQRコードなどを用いたファンテックサービスです。
これは南米が現金主義で、2022年5月現在でもなお、銀行口座を持っていない人が多いという背景に由来します。
Amazonでは従来通りクレジットカード決済を主としてしまったため市場の獲得ができず、利用層が広がっていないのです。
Mercad Libreでは自社物流によって、配送インフラが未成熟だと言われている中南米でも2~3日で届くという驚くべき状態を作り出しています。
中南米において今後ますます成長するであろうECモールです。
Flipkart
Flipkart公式サイト:https://www.flipkart.com/
売れ筋:モバイル機器・大型家電
Flipkartはインドで展開する巨大ECモールで、2018年にアメリカのウォルマートに買収されています。
インドにおいてはAmazonと拮抗しており、Fipkartが約39%、Amazonが約32%の市場規模です。
インドでは農村地域でもインターネットやクレジットカードが徐々に普及しているのもあって、近年では食料品やファッションなども伸びつつあります。
一年中何かしらのセールを行っていて、年に一度は50~80%オフという凄まじいセールが実施されています。
購入してくとステータスがランクアップできる点から見ても、楽天に近いイメージです。
今後ますますインド国内での成長に期待できるECモールと言っていいでしょう。
まとめ
海外のECモールは様々なものがありますが、TOP10にランクインしているのは中国・アメリカ・中南米・インドとどれも人口が多い地域ばかりです。
新型コロナウイルスにより生活が一変したこともあり、ECサイトの市場の成長は衰えることを知りません。
ECモールの中には積極的に日本企業を誘致し越境ECができる環境を作っているところもあるので、海外展開を考えている方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。