越境ECサイトの構築で注意すべき点と、運営後成功率がグッと上がるポイントを解説

「越境EC」という言葉を最近よく耳にするようになったのではないでしょうか?

越境ECとは国境を越えてオンラインショップを運営することです。

日本国内のみでECサイトを運営しているけれど、売上がなかなか伸びていかない。というお悩みをお持ちではないでしょうか?

本記事では、越境ECについて解説し、注意すべき点や成功のポイントを紹介します。

この記事でわかること

  1. 越境ECの概要と運営を成功させるポイントがわかる
  2. 越境ECの構築の流れと注意点がわかる

越境ECとは

「越境EC」とは、国や地域をまたいだオンラインでのショッピングのことです。

日本国内に限らず、世界の多くの国の人をターゲットとするEC(電子商取引)です。

急成長市場で、大きなビジネスチャンスがあるため注目が集まっています。

越境ECが盛んになった理由は、

  • 海外で低価格で高品質の日本製品の需要が高まっている
  • 企業がさらに広い市場を求めて海外進出を目指すようになった

です。

令和2年(2020年)の日本国内でのBtoC-EC(消費者向け電子商取引)は、19.3兆円と前年比0.43%減のほぼ横ばいでした。

参考:「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」経済産業省

日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、日本企業の越境ECの活用率は2020年度には、45.5%に達し、4年前と比較して約15%上昇しており、特に中小企業で利用率が高くなっています。

参考:「中小企業のEC利用拡大意欲が顕著(世界、日本) | 未曽有の危機下で日本企業が模索する海外ビジネス – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

国内ECと越境ECの違い

国内ECと越境ECの違いによるメリットやデメリットはさまざまなことがあります。

一番大きなメリットは商圏を拡大できることです。日本国内は少子高齢化による人口減少で、消費を行う世代の減少が顕著になっています。国内市場のみだと今後の成長は見込めなくなるでしょう。

一方、世界の多くの国では人口は増加傾向で、ECの成長には欠かせない要因となっています。

注意すべき点は、市場の対象とする国や地域の状況の違いを把握することです。例えば商習慣、法律などは国によって異なるためあらかじめ把握しておく必要があります。

またニーズがどこにあるのか調査をしましょう。

越境ECサイト構築から運営までの流れと注意すべき点

越境ECサイトの構築から運営までの流れと注意すべき点を説明します。

商品の準備

商品の準備がまずは必要です。十分な在庫確保をしておきましょう。

さらにその商品が現地でどのような扱いを受けるのか確認しなければなりません。

  • 法律や商習慣など現地の状況を事前に確認する

例えば、輸出入の規制対象となっていないか、現地の法律、商習慣を確認し、販売しようとする商品が越境ECに向いているか調べましょう。

  • 輸出規制や国際間輸送できない商品に注意する
  • 配送料金に注意
  • 国によって出品できないものがあることに注意

越境ECは海外との輸出入となり、関税法により制限されている商品があるので注意してください。例えば、中国では古着の輸入が禁止、中古機器の輸入は現地確認が必要などです。輸出入が許可されているか、許可リストが各国の税関のホームページに記載されています。

越境ECの配送には、国際郵便である「EMS」がよく使われます。輸入制限を通った商品でも、EMSで発送できない商品もあります。例えば、貴金属や貨幣など貴重品や食品、リチウム電池などです。

EMSでは配送可能な荷物は、最大の長さが1.5m以内、長さと横の周囲の合計が3m以内、重量30kg以内の制限があります。

国際間輸送が可能なものは、EMSだけではないため、大型の商品やEMSで送れないものは他の輸送サービスの検討もしましょう。

  • かかる関税率が国によって異なることに注意

商品を受け取る購入者が関税を支払うことになります。つまり購入者は商品代金や送料にプラスして関税額も支払わなければなりません。

販売する商品や国によってかかる関税は変わってくるので、各国の税関のホームページで確認しておきましょう。

ターゲットを決める

  • 商品のニーズがあるか

越境ECの対象とする国や地域において、自社商品のニーズがあるのかをリサーチする必要があります。海外のどこのエリアで、どんな年齢層に売りたいのか、男女別や収入別の違いなどさまざまなターゲットがあります。

国民性や習慣など日本とは違う要素も加味しながら、ターゲットを選定し、準備にしっかりと時間をかけましょう。

  • 商品が現地で販売できるか

また先述したように販売先の国によって法律が異なる点に注意しましょう。

販売できない商品や輸出入ができないものがあります。

越境ECサイトの出店方法を決める

越境ECサイトを現地に出店する場合にはいくつか出店方法があります。

主に方法には以下の4パターンがあります。

  1. 現地法人設立
  2. 現地のショッピングモールに出店
  3. 自社ECサイト
  4. 日本国内のショッピングモールで対応

現地法人設立

一つ目は、現地法人を設立し、自社で越境ECサイトを構築する方法です。

現地法人の開設にはかなりの準備や初期コストがかかり、手間がかかりハードルの高くなってしまいますが、越境ECの規模が大きいものや本格的に越境ECでビジネス展開を考える場合は検討して良いでしょう。

現地のショッピングモールに出店

二つ目は、現地のショッピングモール出店で、規模があまり大きくない場合に最も手軽に出店できる方法です。各国で越境ECサイトの構築許可があるショッピングモールがあるのでそこで開設しましょう。

海外で最も市場の大きい中国では、自社ECサイトの立ち上げハードルが高いので、集客対策が難しくショッピングモールでの出店が有効な手段です。

自社ECサイト

三つ目は自社でECサイトを構築する方法です。自社で越境ECを構築するには「Shopify」「Magento」「マルチリンガルカート」などが人気のショッピングカート構築サービスです。

ビジネス規模があまり大きくなく、まず越境ECを試してみたいという場合に手軽に構築できる点が魅力です。上記にあげたショッピングカート構築サービスをはじめとして、越境ECに対応したプラットフォームが数多く登場しています。テンプレートからデザインを選択でき、機能性の高いサイトが作成できます。

日本国内のショッピングモールで対応

四つ目は、日本国内のショッピングモールで越境ECに対応しているサイトを利用する方法です。楽天、Yahoo!ショッピング、Amazonなどです。

日本国内のプラットフォームなので扱いやすく、説明の翻訳や便利な機能があらかじめ用意されているため、手軽に参入できるでしょう。

利用料や販売額に応じた手数料が必要なので、自社でのECサイト運用より利益は下がります。

海外にある越境ECモールの知識がなかったり、言語に対応するのが難しい場合などに簡単に越境ECに対応できる手段になります。

越境ECサイトの成功率がグッと上がるポイント

越境ECサイトを成功させるポイントを解説します。

ターゲットニーズを明確にし調査する

商品のターゲットのニーズを構築前にしっかりと調査しておきましょう。各国によってニーズは全く異なります。キャンペーンやセールの時期や、売れる時期もその地域によって異なってきます。

日本国内では知名度の高い商品であっても、海外では全く知られていないこともよくあります。商品プロモーションも重要となるでしょう。

SNSを利用したプロモーションがその際には特に有効です。世界中の消費者が集まり利用しているSNS(Facebook、Twitter、Tiktokなど)で自社商品をアピールできれば、認知度が高まって売上アップにもつながります。

配送方法・決済方法を安心できるもの、物流トラブルへの対応

物流面での体制を整えておきましょう。安心して購入できる決済方法や配送方法を選びます。

各国によって決済や配送の方法は異なります。また商品によっても輸送の手段は異なっていきます。関税や配送にかかる費用、日数も確認しましょう。海外への発送は国内向けよりも費用が高額になり、配送日数も長くかかります。

購入者に適切な配送料金や到着までにかかる予定日数を伝えられるようにしておくと良いでしょう。海外への発送は通関検査が必要なので、商品によってまたは金額によって関税が発生する場合があります。基本的に関税は受取側が支払うので、購入者にあらかじめ関税がかかる可能性を伝えましょう。

出店後の販売計画をたてる

出店後の販売計画を事前にたてておくことは大変重要です。しっかりとした販売計画であったとしても、思わぬ事態が発生します。その都度対処しながら計画を修正、改善していきましょう。

越境ECの戦略設計は国内市場向けよりもはるかに難易度の高いために、詳細な戦略設計や綿密な分析が必要となります。事前の準備はもちろんのこと、出店後であっても問題に直面した時すぐに軌道修正できるよう対策することが必要です。

まとめ

本記事では越境ECについて解説しました。

さらには構築から運営までの流れを説明し、成功に導くポイントを紹介しました。

本文でも述べた通りに越境ECは急成長を遂げており、構築が手軽にできるようになったことから多くの企業が参入しています。

日本国内での市場が頭打ちになりつつあるなか、まだまだ人口拡大の余地がある地域への出店は今後欠かせないでしょう。

本記事を参考に越境ECサイトの導入を検討してみてください。