売れている海外向けのECサイトに共通する4つの施策・傾向とは?

コロナ禍もあって、近年ますます注目を集めているのが越境ECです。

日本国内だけでなく海外へ向けて販路を拡大しようと考えている方も多いでしょう。

特に中国やアメリカ、インドといった国では日本製品の人気はまだまだ高く、大きな需要が見込めます

今回は海外に向けて販路を広げたいと考えている方へ、海外向けECサイトに共通する施策・傾向について解説します。

この記事でわかること

  1. 海外向けのECサイトに共通する施策・傾向
  2. 海外販路拡大のための参考サイト

海外向けのECサイトとは?

海外向けのECサイトとは、日本にも提供されているネットショップで海外向けに商品を販売するものを指します。

国境を越えることから、別名「越境EC」と呼ばれています。

こちらの方が耳馴染みのある方が多いかもしれません。

メリットはなんと言っても海外進出で必要なテナント費などの初期費用がかからないことで、システムを通して売買が完了していまうため、言語の壁もほとんどありません。

海外で商品を販売するためにネックとなっている「拠点」「接客」の両方をクリアできるので、個人・企業問わず参入者が増え続けています。

売れている海外向けのECサイト4選

海外に向けて商品を販売する際、候補となるECサイトには大きわけて2つのタイプがあります。

  • 自社EC型
  • ECモール型

このうち、自社EC型は自分でドメインを取得して運営するECサイトです。

始めるにあたって事前準備が多く必要となるため、すぐに海外向けに商品を販売したいと考えている方にとっては現実的な方法ではありません。

となると、残りのECモール型が無難な選択となります。

ECモール型はAmazonや楽天のような場所で、オンライン上に展開されている場所へ出店する形です。

リアル店舗でいうところのイオンモールなどに近いと考えてください。

手続きも非常に簡単で、日本語対応しているものもあるので参入のハードルは低いでしょう。

中でも注目したいのが、以下の4つの海外向けECサイトです。

ECサイト名 取り扱っているもの URL
Amazon.com 全て https://www.amazon.com/
天猫国際(T-MALL GLOBAL) / 天猫商白(T-Mall) 全て
※日用品が強い
https://www.tmall.hk/
京東商城(JD.com) 全て https://www.jd.com/index.html
メルカリ(mercari) 全て https://www.mercari.com/

日本でもフリマアプリとして名を馳せているメルカリは、アメリカでもサービスを展開しています。

個人・企業問わずに参入できる気軽さに加えて、シェアリングエコノミーが後押ししてくれているのです。

海外向けECサイトに共通する施策・傾向

海外向けのECサイトは様々なサービスがありますが、共通している施策や傾向はもちろんあります。

国が違っても人間の心理はそうそう変わるものではありません。

ここからは以下の点において共通している施策・傾向について解説します。

  • 大規模なセールを実施している
  • キャッシュレス決済を導入している
  • 配送に力を入れている
  • 正規品であることを強調している

それぞれどういったものか詳しく見ていきましょう。

大規模なセールを実施している

メルカリ以外のECサイトに共通するものとして、「大規模セールを実施している」というものがあります。

Amazonの場合、日本では「Amazonプライムデー」や「ブラックフライデー」などが有名ですし、実際に大きく利益を伸ばせる日としてアメリカでも実施されています。

中国の場合は毎年11月11日に「独身の日(Singles’Day)」という形で開催されている大規模セールです。

これは独身を連想される「1」が並ぶことから、独身の日という意味で広がったことが切っ掛けで実施されるようになりました。

元々は独身を祝うための日でしたが、アリババグループによって現在のようなECの一大セールイベントと変貌を遂げています。

今となっては大手ECサービスが一斉に大規模セールイベントを行うのもあって、1日で2兆円以上が動く市場規模にまで成長しています。

海外向けECサイトで販売する際に非常に重要なイベントとも言えるでしょう。

キャッシュレス決済を導入している

キャッシュレス決済を導入しているというのも、海外向けECサイトで共通してい施策の1つです。

たかがキャッシュレス決済とも思いますが、中国においてはモバイル端末の急速な普及と紙幣への不信感もあわさって、キャッシュレス決済が爆発的に広がっています。

「Alipay」「WeChat Pay」などは日本でも有名ですよね。

Amazonやメルカリでは、クレジットカードなど現金を使わない決済方法を早くから導入しています。

このように海外向けのECサイトではキャッシュレス決済を導入し、決済をしやすい環境を整えていることが共通しています。

注意点として、キャッシュレス決済は個人が銀行口座を持っていることが大前提のシステムであるため、中南米のように銀行口座を持たない人が圧倒的に多い国では、逆に現金払いのみが好まれる傾向にあります。

国によってどんな決済方法が好まれるかは違ってくるので、事前に調べることをオススメします。

配送に力を入れている

配送に力を入れていることも、海外向けECサイトに共通する施策です。

たかが配送と思ってしまいがちですが、日本に住んでいる私たちもAmazonで購入したら当日か次の日には荷物が届く便利さを享受しています。

日本のようにあちこちに配送網が整備されている国は珍しい方で、注文してから一週間以上かかるという国も至る所にあります。

アメリカや中国のような大きい国だとなおさらです。

しかし天猫国際・南東商城・Amazon・メルカリでは、独自で配送網を構築し、注文から2~3日あれば届くようにしています。

ECサイトにおいて注文から商品が届くまでの期間はユーザー離れを引き起こす要因ともなるため、大きなECサイトほど配送面には特に力を入れています

京東商城の場合、日本のヤマトホールディングス傘下の国際物流部門であるヤマトグローバルロジティクスジャパンと提携しているため、日本企業にとっても安心できる環境です。

正規品であることを強調している

正規品であることを強調していることも、海外向けECサイトの共通項として挙げられます。

中国を筆頭に偽物をあたかもの本物であるかのように偽って販売する手法は後を断ちません。

あまりにも偽物が増えて消費者に大きな被害が出たことから、出店に際して非常に厳しい条件を設けているECサイトすらあります。

特に有名なブランド物は偽物で溢れているため、そういった商品を扱っているECサイトと認識されると運営側にとっても不利益を被ります。

そういった背景から、偽物を取り扱っていませんよとアピールすることがECサイトにとっても非常に重要です。

日本製の商品は海外でも人気が高いため、出店の際は日本企業であることを証明すればチャンスへと繋がりやすいでしょう。

自社サイトに当てはまる例を見つけて効率良く数字を上げよう

海外向けECサイトはそれぞれ特色があります。

売れ筋もサイトによってバラバラのため、とりあえず大きな海外向けECサイトに出店すればOK、というわけでもありません。

日用品が強いサイトもあれば家電が強いサイトもあるため、自社が取り扱っている商品と親和性のあるECサイトを選ぶことが肝要です。

ECサイトは巨大になればなるほど取り扱っている商品数が増え、ジャンルも多岐に渡る傾向にあります。

そのため自社サイトに当てはまる例を見つけ、大規模セールに合わせて施策を打ち出すことで効率良く数字を上げられます。

まずは様々な海外向けECサイトを分析してみるところから始めるのもオススメです。

まとめ

海外向けECサイトは別名「越境EC」とも呼ばれ、近年注目を集めています。

日本国内よりも遙かに市場が大きい海外へ出店すれば、ビジネスチャンスは大きく広がります。

その際、選択肢として自社EC型とECモール型の2種類から選ぶことになりますが、初期コストが圧倒的に安いECモール型がオススメです。

ECモール型はAmazonを初めとして様々なサービスが提供されているため、自社にあったサイトを選ぶようにしましょう。

日本と同じく大規模セールに積極的に参加し、効率良く数字を上げてくいくことを目指してみてくださいね。